「そんなに色々やって、時間はどうやって作っているんですか?」
時々、そんな風に聞かれることがあります。
実は今、94歳になる母が腰椎の圧迫骨折で入院しており、退院後の自宅生活に向けて、私は週に5日病院へ通う日々を送っています。
理学療法士さんの指導を受けながら、椅子に座る練習や、杖を使った歩行のサポート。今はまだ見守りが必要な状態ですが、少しずつ「自立」の方向へ希望を向けて、母と一緒に歩んでいるところです。
そんな限られた時間の中で、改めて強く実感している結論があります。
それは、 時間は「作る」ものではないということ。
時間は “手放すもの” そして“境界線(バウンダリー)を引くもの”です。
多くの人は、24時間という枠の中に、もっと予定を詰め込もうとします。 でも冷静に考えてみると、1日の時間が増えた人は一人もいません。
だから本当に大事なのは 「何をやるか」ではなく「何をやらないか」なんです。
例えば… ・心がすり減るような、無理な人付き合い ・境界線が曖昧になっている惰性の時間 ・ただエネルギーを奪われるだけの情報収集 ・気乗りしない予定
こういうものを、思い切って手放す。
するとどうなるか。 自分の内側に、びっくりするくらいエネルギーが戻ってきます。
例えるなら、机の上と同じです。 いらない書類でいっぱいの机に、新しいものを広げることはできませんよね。 「作業スペースがない」と嘆く前に、まずやることはいらない紙を捨てること。
時間も全く同じです。
人は時間がないのではなく、エネルギーが分散しているだけ。 ただ気を使うだけの時間や、心が動かない関わりをやめると、人生のエネルギーは一気に戻ってきます。
もう一つ、すごく大事なことがあります。
それは、完璧をやめること。
家事も、仕事も、人付き合いも、そして「家族のサポート」も。 全部を100点でやろうとしたら、心身ともに破綻してしまいます。
今の私なら、日々の雑事や家事は60点でいい。 でも、母の自立へ向けたサポートの時間や、自分自身の心を整え、表現に向き合う時間はしっかりと確保する。
全部100点は目指さない。 自分のエネルギーをどこに注ぐか、優先順位を決める。 これが一番大事です。
そして、もう一つ。 多くの人が勘違いしていることがあります。
それは「時間ができたらやる」という考え方。 これは、一生来ないパターンです。
時間は、余った時に使うものではなく、先に確保するものです。
自分の魂が喜ぶ時間や、一番大切にしたい人との時間を先に予定に入れる。 そして、その残りに日常のタスクを入れていく。
昔の私は逆でした。 タスクをこなし、家事をして、用事を済ませて……余ったら自分の時間。 でも、時間は決して「余る」ことはありませんでした。
時間管理とは、実は「人生のエネルギー管理」です。
誰とエネルギーを交わし、何に意識を向けるか。 これ全部、人生というタペストリーを作る糸になります。
だから私は、何か予定を入れる前に自分に聞いています。 「これは、私の人生を前に進めてくれる時間かな?」と。
やるべきことと、やりたいことの両立は、テクニックではありません。 一言で言うなら、覚悟。
自分の人生をどう生きたいのか。 それを決めたら、手放すものが見えてきます。
もし今、「忙しい」「時間がない」「余裕がない」と思っているなら、 一度だけ、自分に聞いてみてください。
その時間、本当に今のあなたに必要ですか?
人生は、時間の使い方で決まります。 時間を変えれば、未来は変わる。
さて、あなたは今日、何を手放しますか?


